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日月潭水力発電

発展背景

日本統治時代、台湾総督府は既存の植民地経営の基盤の上に軽工業を発展させるとともに、水力資源を多角的かつ有効に活用して台湾の商工業の発展に必要な電力を供給することを目指しました。そのため1919年に台湾電力株式会社を設立し、日月潭水力発電計画を推進しました。これは、濁水渓、日月潭、水里渓の間にある高低差を利用して発電を行なうものでした。

水力発電の仕組み

濁水渓は全長178.6キロメートルを誇る台湾最長の河川ですが、その水はもともと日月潭へは流れ込んでいませんでした。日月潭水力発電計画では、濁水渓上流に武界ダムを建設し、全長15.12キロメートルの導水トンネルや暗渠、開渠を通して水を日月潭へ引き込みました。さらに日月潭の湖畔に水社ダムと頭社ダムを建設し、日月潭を大規模な貯水池として利用できるようにしました。その後、日月潭の水を下流へ流し、高低差によって生じる水のエネルギーで水車と発電機を回して発電を行ないました。

日月潭第一発電所(現在の大観発電所)は1934年に完成し、当時はアジア最大、世界第7位の規模を誇る水力発電所でした。さらに1937年には日月潭第二発電所(現在の鉅工発電所)が完成し、第一発電所で発電に利用された後の放流水(尾水)を再び利用して発電が行なわれるようになりました。

現在の水力発電システム

日月潭の水資源を引き続き有効活用するため、1985年には明湖揚水発電所、1995年には明潭揚水発電所が相次いで完成しました。現在の日月潭の水力発電システムは、大きく次の二つに分類されます。一般水力発電と貯水池式水力発電です。

1.一般水力発電(慣常式水力発電)

上流から流れてくる水やダムから放流される水のエネルギーを利用して、水車を回し、その動力で発電機を稼働させて発電する方式です。発電に使用された水は下流へ流され、農業用水や工業用水、生活用水などとして利用されます。現在の大観発電所(大観第一発電所)や鉅工発電所はこの方式を採用しています。また、台湾の水力発電所の大部分も慣常式水力発電に属しています。

2.揚水式水力発電

電力需要の少ない夜間などのオフピーク時に、余剰電力を利用して下部の貯水池にある水を元の水路に沿って上部の貯水池へくみ上げて貯蔵し、電力需要が高まる時間帯にその水を放流して発電する方式です。現在の明潭発電所および大観第二発電所(明湖発電所)は、この揚水式水力発電を採用しています。

なお、前述の大観発電所(大観第一発電所)、鉅工発電所、明潭発電所、大観第二発電所(明湖発電所)はいずれも、台湾中部・水里郷に位置しています。

水力循環による持続可能なモデル

日月潭は、世界でも数少ない大規模揚水式水力発電所に水を供給するダムです。約380メートルの水位の高低差を利用した「揚水発電(エネルギー貯蔵型発電)」によって、水資源を循環的に活用しながら発電を行なっています。まさに「一滴の水で何度も発電する」という持続可能な資源活用を実現しています。

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